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うさぎドロップ

俺 りんのことなら腹くくれるよ 個人的には子育てをしているお父さんや結婚を回避している男の人に読んでほしい作品である。「責任」という言葉はたいてい自分自身に対しては使わないような気がする。たいてい他人が自分に対して言う言葉だ。「責任、取れる…

ひかりをすくう

「猫泥棒と木曜日のキッチン」を読んだときからこれだけのレベルの作品が書けるのだったら一般文芸で書けばいいのに、と思っていたらいつの間にか新潮社で本を出していた。今までライトノベル出身の作家がライトノベル以外の場で作品を出すときはファンタジ…

ブレイブ・ストーリー

宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」がアニメ化される関係で、角川文庫と角川スニーカー文庫におちてきたので、読んでみた。読んでみる前は宮部みゆきが自分の趣味に突っ走って書いた小説だからと侮っていたのですが、実は最良のジョブナイル小説でした。…

猫泥棒と木曜日のキッチン

母親を早く亡くしたせいか周りから不憫な家庭に育った子供と言われるときがある。幸せな家族からは離れている家族として捉えているのだろうか、どうも周りが考えている理想の家族からはちょっと離れているらしい。僕個人としては亡くなった母親に関しては正…

わたしたちの田村くん(2)

自分が好きな女の子、でも、女の子の方はどう考えているかわからない 自分のことを好きな女の子、こちらもその女の子のことを悪くないと思っている がいたとして、僕はほぼ確実に後者へと流れていきます。初志貫徹、好きになったら一直線、たとえ様々な障害…

サマー/タイム/トラベラー

高校生の仲間たちのうち、一人が 3 秒後の未来に飛ぶ能力を手に入れたところから話は始まる。能力を分析・発展するためのプロジェクトを仲間内で始めるが……。衒学的な雰囲気を装いつつ、中身はジョブナイル SF である。(ミステリ部分が少しあるけど、それは…

translucent -彼女は半透明-

原因不明の「透明病」にかかった女の子と女の子を笑わせようとするバカな男の子のお話。そうそう、僕はこんな男の子になりたかったんだ。最終的には女の子を笑わせられる男がもてるんだよ、覚えておけ(自分への説教)。

BLOOD ALONE

吸血鬼の女の子と私立探偵の男がラブラブしたりラブラブしたりラブラブしたりする作品。途中で時々思い出したようにトラウマにとらわれてみたり、ちょっと敵対する吸血鬼と戦ってみたりするけどそんなものは刺身のツマのような物なので、気にしなくてよろし…

ボクを包む月の光 「ぼく地球」次世代編

「ぼくの地球を守って」の続編。続編なので前の作品を読まないと理解できない点が多々あります。マンガ喫茶にこもって読みましょう。当然最近の絵で、かつコマの進め方が最近の物になっているけど、最近のマンガより面白いのはどういう事だろう……?キチェ補…

わたしたちの田村くん

かなり書き散らし。あまり作品の内容自体には関係ないかも。作品の内容自体はかなり優秀なラブコメ(叩きつけたくなるような)なので、オススメ。モテる奴は大変だ。全然モテない、非モテとか呼ばれ、モテている友人へことあるごとに「きぃー、悔しい!僕も…

国境の南、太陽の西

昔はダブル村上の中では圧倒的に村上龍の方が好きで、村上春樹はむしろ苦手な方でした。唯一楽しく読めたのは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」であの終わり方はなかなか面白かった。でも、例えば大学時代に読んだ「ノルウェイの森」なんかは…

リリアとトレイズ

まともに感想を書くならば、暗さを知っていながら自らを明るくすることにより暗さを包み込むアリソンと明るさを消さないためにあえて暗さの中で生きていくトラヴァスが相互補完的な人生を歩んでいて、大人になった二人は見ていてすがすがしかった。個人的な…

羅川真里茂

羅川真里茂作品のすごさは必ずどこかに深く共感できる部分があるところだ。きっと、波長が合うんだろう。 好きとか嫌いとかそれ以前に相性があって あたしとミーコは違う星の住人だったみたい

絶望系 閉じられた世界

当たり前のことを当たり前に書いた本。最初から最後まで物語の要請に従って書かれていて、最初から最後まで予想を裏切られることがない。個人的にはもう一歩先の世界が見たかったので、少し残念。

オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す

月経とかセックスとか妊娠とかそういった身体に近い部分を拒否せずに受け入れることによって、自分自身の軸を見つけ出しましょう、という本。二点、思ったことを書く。男性である僕は女性の身体性が良く分からない。最低限の知識みたいな物は持っているが、…

雲のむこう、約束の場所 新海誠2002-2004

インタビュー(「ほしのこえ」制作時に関して)より ―――そもそもすべてをひとりでやってみようと思ったのはなぜ? とにかく一回、ひとりで全部やってみたかったんですよ。自分はなにが得意で、なにが不得意で、どういう作業が好きでどういう作業が嫌いかって…

ROOM NO.1301 シリーズ

昔、夏目漱石とかの近代青春恋愛小説をストーリーはそのままに、文章とかはライトノベル風に描き、挿絵は萌え系で、そうしたら売れるのではないかとか居酒屋の与太話で話したことがある。読書感想文で文学批評家でも解釈に悩むような作品をそのまま中学生と…

鏡姉妹の飛ぶ教室

「世の中にはあなた以下の人がたくさんいるじゃないですか」「例えば?」「洒落にならないくらいに頭が悪い奴。その事に開き直って馬鹿のまま生きる奴。馬鹿を自覚しそれを主張して弱者を演じながら乱暴を働く奴。醜い顔をしてる癖に他人の顔に対する評価が…

いつでもお天気気分

羅川作品の中で「赤ちゃんと僕」「しゃにむにGO」は読んだのですが、「いつでもお天気気分」は読んでいませんでした。だって、書店に全巻そろってなかなか置いてないんだもん!この前、偶然全巻そろっているのを見て買ってしまったのですが良いですね。何せ…

監督不行届

アンノ夫妻(庵野監督と安野モヨコ)のエッセイ風コミック。カントクくんとロンパースの日常を描いています。第拾六話がお気に入り。

グランド・フィナーレ

阿部和重の芥川賞受賞作。娘を溺愛しロリコンになり妻に見つかり離婚した(当然娘に会えない)男が生きていく物語。色々な部分を省略して書いているが、それが書かないのか、書く気がないのか、書けないのかが判別できないのが欠点。村上春樹の「アフターダ…

ちーちゃんは悠久の向こう

社会を、世界に敵意を抱いている高校生の作品。技巧はうまいが非常にステレオタイプなので、そこの辺りが不満。ただし、そこに安心感を抱く人もいるだろう。「若者とはこうあるべきだ!」と。社会や世界に敵意を抱く若者の存在は社会や世界にとっては安心材…

アフターダーク

「雲のむこう、約束の場所」で(そのままの名前では出てこないけど)小道具として出てきたので、気になって村上春樹を久しぶりに読んでみようかなと思いました。村上春樹作品で最後に読んだのは「スプートニクの恋人」だったので、非常に久しぶりだ。うーん…

頭がいい人、悪い人の話し方

頭の悪い(ように見える)人の話し方を網羅していって、逆説的に頭がいい人の話し方を見つけ出そうという本。全て生真面目に守っていくと何も喋れなくなってしまうので、少し日常的に気を付けるという程度で良いと思う。大丈夫、みんな思っているほど君のこ…

春季限定いちごタルト事件

久しぶりにタイトル買いした本。中身を読んだらライトノベル+ミステリーといった趣だった。会話が中心なので、登場人物の真理が追いづらかったり物語の流れが少し拙いところがあるが、雰囲気は良く出ていると思う(残念ながら似たような雰囲気である加納朋…

熊の場所

どうにもこうにも自分の中の評価が定まらない舞城王太郎の作品。面白いと思える作品もあるし、どうにも混乱してしまうという作品もあり、だけどここまで心が揺さぶられるのだからきっと何かあるのだろうと思いながら読んでいます。

星界の戦旗IV

4 年近く待たせてこんな消化不良の所で終了かよ!今回はお話を進めるための伏線を見せることがメインなので、ラフィールとジントの関係がどうなったかとかそういうおいしい部分はあまりないです。まあ、それはいいや。エクリュアのおいしい部分は!?いや、…

ヨイコノミライ!

(上のリンクは 2 巻へのリンク)25 日の忘年会の前に読むべきじゃなかった……きづきあきらが描く現代の漫画研究会を舞台にしたマンガ。「げんしけん」がオタクの楽園を肯定的に描いた作品だとすれば、「ヨイコノミライ!」は楽園を客観的に眺めればこんなに…

ときめきエッチ

可愛い!可愛い!可愛い!つーわけで、田中ユタカの新作を読むごとに恋愛したいモードになります。

電車男

いや、要はちょっと疲れているんですよ。一人暮らしかあ。電車男を読んで、電車の中でちょっと涙が出てきたブルーな日でした。