ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」がアニメ化される関係で、角川文庫と角川スニーカー文庫におちてきたので、読んでみた。読んでみる前は宮部みゆきが自分の趣味に突っ走って書いた小説だからと侮っていたのですが、実は最良のジョブナイル小説でした。自分の趣味に突っ走って書いているのだけど、それでもこんなに素晴らしい小説を書けるとは、と感嘆してしまいました。

感情移入しやすい主人公が小学生であり、同時に自分の立場が今では大人側の立場なので、自分が小学生の頃の気持ちを思い返しながら、かつ大人たちの心情も思いながら読みました。周りの大人たちは自分勝手だと思っていた小学生時代を思い出して、懐かしかったです。まぁこの年になると、年を取っても完璧になるなんてことは全くなくて、でも自分の弱い心を守るために詭弁を弄することだったら子供より長けていることにさすがに気づくんですけど。

個人的に小学生の時にこの小説を読んでおきたかった。そうすれば小学生の頃に読んだ小説を大人になって読み返したら違う感慨が湧き上がって来るという至福の読書体験が過ごせたのに!とちょっと悔しがっています。まあ、いいや。友達に子供が出来て小学生まで成長したら、この本を与えてみよう(迷惑な奴)。