わたしたちの田村くん

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

かなり書き散らし。あまり作品の内容自体には関係ないかも。作品の内容自体はかなり優秀なラブコメ(叩きつけたくなるような)なので、オススメ。

モテる奴は大変だ。全然モテない、非モテとか呼ばれ、モテている友人へことあるごとに「きぃー、悔しい!僕もモテたい!」とか叫んでいる僕でもちょっと冷静になって想像してみればすぐ分かる。

好きになった方は、相手の気持ちを全く無視してストーキング行為とかしなければ暴走行為をある程度やっても「いやー、恋しているからしょうがないよ」と言い逃れることが出来る。あと、ある程度格好悪くても必死さが伝われば割と成功しやすい。告白して振られたって酒飲んで誰かに愚痴はいて終わればいい。恋している側は度を超した迷惑行為をしない限り悪者になることはない。

でも、好きと言われた方はどうだろう?そりゃ、自分も相手のことを悪しからず思っていたらいいよ。だけど、こっちが全然その気がなかったらきっぱりはっきり断らなくちゃいけない。これは結構エネルギーが必要な行為だ。しかもどうしたって振る方は悪者になりやすい。あと、今だったら断った後、相手がストーキング行為とか報復行為に出ないような断り方をしなくちゃいけない。相手の人間性を尊重しつつ(傷つけないようにしつつ)、はっきりと未来永劫あなたを好きになることはないということを告げるような断り方をしていく必要があるのだ。

そんな断り方をモテる人はどこから習得するか?僕はモテないから推測になってしまうけど、多分、過去の修羅場とか失恋とかからそういったことを習得していくんだろうなあ、と感じている。まあ、モテる奴は修羅場になった時や失恋した時に「僕の責任じゃないよ」「どうせ僕はモテないんだから」という言い訳が使えないからしょうがないよね。

というわけで、この作品はモテる人一歩手前にいる田村くんのお話です。タイプの異なる不思議ちゃん二名といろいろあんな事があったりこんな事があったりするストーリー。いろいろと修羅場とかありそうだけど何せタイトルが「『わたしたちの』田村くん」なのでうまくやって二人同時エンドを目指せるよ!けど、二人同時ってかなり疲れるよ!(二人同時は疲れるなあというお話は二宮ひかるの「ハネムーンサラダ」を読むと参考になります)

そんなこんなで「モテる奴は大変だなあ」と呟き、読み終わりました。自分の好きな人にだけモテたいのにね。まあ、女の子全てに全く人気がない男性はいろいろな意味で問題があるような気がするし、これも君を成長させるための試練だ。がんばれ、田村くん。