川崎フロンターレVS横浜Fマリノス戦

ナビスコカップの準決勝、川崎フロンターレVS横浜Fマリノス戦を見に行った。決勝に勝ちあがってすごく嬉しかったのだが、すごくもやもやした気分になっていた。川崎サポとして言うと引っかかりがあるのだが、あの試合は間違いなく負け試合だったと思っている。井川の退場を差し引いても100%負け試合だった。それは選手だけではなく、サポーターとしても負け試合だった。試合が始まる前からPKを取られるまで、どこか応援で気が抜けていた。試合も応援の勢いも何もかもが負けていたと思う。ジュニーニョがしたたかさと経験でその勢いを利用したけれども、本当は内容で互角に戦った上で大人のしたたかさで勝利したかった。

何もかも負けていた試合だったが、その原因は「決勝には行けるよね」という根拠のない相手を見下したような雰囲気が応援席を包んでいたことだ。(事実、あちらこちらで「まあ、決勝には行けるでしょう」という言葉を耳にしてました)そして、まるでその空気(驕り)が選手にも伝染していったかのように1点取られるまで少しずつ少しずつ気の抜けた試合になっていった。

僕たちはまだ相手を見下すほどの実績もないし、また、どれほどの実績を手に入れたとしても相手を見下してはいけないと思う。僕たちがタイトルを手に入れるのは自信を手に入れるためであって、過信や驕りを手に入れるためではない。僕たちはタイトルを手にフロンターレを誇りたいのであって、タイトルを手に他のチームを見下したいわけじゃない。そのことを決勝でも強く握りしめながら応援しなければいけないと思える。

僕たちが川崎フロンターレを好きでいるように、横浜Fマリノスを好きになっている人たちがいる。川崎フロンターレが渇望しているタイトルを僕たちと一緒に手に入れるため勝ちたがっていたように、マリノスも心から自分たちのサポーターのために勝ちたがっていた。そして、本質的にどちらのチームが劣っている、優れているということはない。その上で、川崎フロンターレを選んだということを誇りに思うために、僕たちは声を上げて、手を叩いて、応援している。

ナビスコの準決勝でマリノスは敗れて、フロンターレは決勝へと駒を進めた。そして、その結果が決定した瞬間マリノスの選手は泣き崩れ、それでもマリノスのサポーターは声を上げていた。僕たちはその想いに張り合わなければいけない。マリノスが、自分たちが素晴らしいチームに敗れたということを誇りに思うために、決勝で絶対に負けてはいけない。彼らの想いと誇りを汚さないためにも、僕らの想いと誇りを高らかに掲げるためにも、11/3はタイトルを必ず手に入れよう。