夏音-Ring-(http://www.natsunone.jp/products/ring/index.html)

幼なじみの女の子(彩音)と幼なじみの女の子に恋する女の子(鈴菜)と主人公のお話。そこにいくつか他のキャラクターによるお話が挿入される。

ゲームシナリオとしては人間関係におけるコミュニケーションの話。特に鈴菜シナリオではコミュニケーションを取るのが大事という正論に落とすのではなく、その先を描こうとした点に好感が持てた。

ただ、ゲーム全体としてはいろいろと瑕疵が目立つ。あまりに他作品(音楽・アニメ・ゲーム etc)の引用が多くて、しかも、それをシリアスな部分でも展開していくので興ざめしてしまう部分が多数あった。シリアスな部分での語りが長いので、ゲームに没入させるために力を注がなくちゃいけないのにそこで別作品の力に頼ってどうする。

個人的には、主人公と自分があまりに似ていて(外見以外)、抱えている問題も非常になじみ深い物だった。非常に自分自身にとって痛い作品だった。もしかしたら、シナリオライターの人と僕が結構にているのではないかともちょっと思った。

だから、次回作ではもうちょっと気をつけて書いてほしい、と心から思う。シリアスな場面で主人公に入り込んでいるときに他作品の引用を見つけて急激にさめてしまうのは非常に辛いものだから。